ねこさんのつづき
7月のおわりにあらわれて、うちの猫になったねこさん。しばらくしたらねこさんのお腹がでっかくなってきた。ねこさんも妊婦やった。人間の子も生まれるのに、子猫も生まれるどうしようとなったけどどうしようもない。
いろいろもう忘れたけど、いつ生まれるかもわからないまま夏が過ぎ秋になって、ある夜ににゃーにゃーと私たちを起こしにきた。そしてお産がはじまった。3匹生まれたのだけど。1匹は死産だった。調べたら猫は多産だけど初産は2、3匹なことが多く死産もよくあるらしい。
子猫は2ヶ月は母猫のそばにいるほうがいいらしい。
産まれたのが10月の終わり頃で、私の出産予定日が12月12日だったから、我が家はなんかもういろいろがごちゃごちゃな状況になった。
子猫たちは1ヶ月くらいすると家の中を走り回り始めた。いろんなところによじ登るし人間にもよじ登ってくる。私の足や手は子猫のつめのひっかき傷だらけで、検診の時に、助産師さんに何があったのかときかれた。
2匹とも活発だったけど特に1匹がもうほんとうにどうしようもなくやんちゃで、ねこさんは母猫らしく子猫たちから目を離さずいつも見張ってたけど、とにかく色々すさまじいのでねこさんも時々は「もうかんべんしてくれ」と思ってたと思う。(推測)
そうこうしてるうちに12月になってきっかり予定日の早朝に私の陣痛がはじまって、でもそこからとんでもなく時間がかかることになって結局息子がうまれたのは13日の夜なのだけども、陣痛が弱くなってこりゃあまだまだだということで一度助産院から家に帰って畳に横になったときに、ねこさんが私のところにすたすたすたっとやってきて、私のどでかいお腹の上によじのぼって座り込んだ。スフィンクスみたいに。しばらくずーっと座ってた。そんなことしたことなかったからものすごく不思議だった。
そして子猫が走り回る家に新生児も帰ってきて、人間3人猫3匹の生活がはじまって、いろいろはもうほぼ覚えていないけど、けっこうはちゃめちゃだった。とにかく子猫の貰い手を探しまくった。やんちゃすぎて無理ですと一度戻されたりもあった。でもみなさんに助けてもらってどうにかそれぞれ貰い手がみつかった。
子猫が貰われていくときのねこさんの、さみしそうな、でも全部わかってるような鳴き声と見送るような姿をみて、産後のホルモンバランス乱れまくりの私は我が子を抱きながら号泣したのだった。
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