絵画教室の子どもたちと”竜宮”の絵を描いた。浦島太郎のお話を読み聞かせしてから白いクレヨンでそれぞれ思い思いの想像の竜宮を白い画用紙の上に描いて、その上に絵具で色をおいていくとクレヨンの白い線が色の中にうきでてくる、というプロセスで。
で、このとき、私自身も久しぶりに浦島太郎のお話をよんだのだけど、なんというか、ああ、浦島太郎ってこういうお話なのか、ととてもびっくりして、子どもたちに読みきかせながら自分でも心の中で個人的におおお〜!と驚嘆しながら読んでいた。
まず竜宮の天国ぶりにびっくりした。いろいろな宝石をちりばめた大広間があったり、たいやかつおやふぐや海老が色々なごちそうをはこんでくれたり、乙姫様の腰元が歌をうたって踊ってくれたり、そして四季の部屋があって、それぞれの季節の自然の美しさがとびらを開けると目の前にひろがるなんて、そりゃあすごいところだわ、竜宮!
どんなCG技術を駆使してもかなわない。
そんなすごいところなのに、浦島太郎は3年たったときにふさぎこんでしまうのだ。こんなにすべてが楽しくて美しくて完璧なのに3年たつと陸にかえりたくなるねんな!ということが新鮮におもしろいなと思った。
そして私も子どもたちも、話を読み聴きすすめる流れのなかで、この帰りたくなった浦島太郎の気持ちがすんなり自然になんとなくわかる気がしてるのもまたおもしろい。
そして一番おおおおっと思ったのが、
乙姫さまがお別れのときに浦島太郎に玉手箱を手渡しながら、
「なかには人間のいちばんだいじなたからがこめてございます」
といったこと。そして、
浦島太郎が陸に帰ると地上の時はもう300年経っていてそこで途方に暮れて玉手箱をあけて白髭のおじいさんになった浦島太郎が、
「なるほど、乙姫さまが、人間のいちばんだいじなたからを入れておくとおっしゃったあれは、人間の寿命じゅみょうだったのだな」とつぶやいたことだった。
ああそうか、、人間のいちばん大事なたからは「寿命」やったんやな〜、、となんだかとても納得がいくような感慨深い気持ちになりながら、子どもらの描く絵をながめていた次第。
参照:浦島太郎(青空文庫)https://www.aozora.gr.jp/cards/000329/files/3390_33153.html
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