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何が正しいかはわからない。

和歌山の仕事の帰りの電車、私はいつも一番前の車両に乗るのだけれども(乗り換えの駅で一番改札に近いので)、今週の電車はとても久しぶりにボックス席もある車両だった。この駅発の電車なのでいつも乗客はまばらで、今は観光客もほぼいないので、車内はがらがら。

私はボックス席の窓際にすわって、ぼーっと放心状態で発車をまっていたのだけれども、いつのまにか通路を挟んで向こう側のボックス席に乗り込んできていた人に、何やら話しかけられてわれにかえった。

一瞬、何をきかれたのかわからなくて、そちらを見たら白いYシャツとスーツズボン姿の西洋人の人で、英語で何かを私は尋ねられていて、そしてそれは私が座ってる横の窓のスクリーンをおろしてもらえないか?ということだった。


一瞬、思考が、えっとー、、、ってなって、ああ、この人は寝たいのね、と理解したのだけども、私は窓にスクリーンをおろしたくない、ととっさに思った。

別に梅雨の曇り空で太陽の光が差し込んでいるわけでもなかったし、

この沿線の車窓から見える風景はいつも美しくて、この日は雨の後の山々からは霧がもくもくとわいていたし、稲が少し育ってきた田んぼや、緑がむくむく育っている畑や、田舎の家々やお墓や森や溜池やらを眺めるのは楽しいものだし、今日もそれらがひとつの風景になって存在する様子を私はぼーっとながめたかった。


なので、

ごめんなさい、私はスクリーンはおろしたくないです。外の景色をみたいから。とその人に適当な英語で率直に伝えた。

そしたら、え、外を見たいの?っと私の返答にちょっとびっくりした感じで、そしてああOKOK、となったのだけども、その次にあと何駅でおりますか?とまたきかれた。私は、えええ??っとなって、終点まで乗ってます。と伝えたのだけれども、なんかそこまできかれるとちょっと気の毒にもなってきて、じゃあ私別の席に移れるのでスクリーン下ろしても大丈夫ですよ、と軽く和やかな感じで伝えて席を移動しようとしたけども、いえいえその必要はないノープロブレムという感じになって、で会話は終わった。


電車は発車して、私はぼーっと外の景色をながめていたのだけども、ちらっと横をみたら反対側の窓はぴっちりスクリーンがおりていてその人はマスクを目の下まで深々と被って、目をとじてじーっとていた。寝れてたかどうかは不明。いでたちと時間帯から、多分どこかの高校か中学の英会話の先生で仕事帰りの様子。まあ疲れてはるのやろね。


7月7日の七夕の日の和歌山の空と山々を眺めながら、あ、笹用意するの忘れてた、、帰ったら笹をさがしにいかなあかんな、とか思ったりしながら、さっきの出来事についてかんがえた。

とっさに私は自分がどうしたいかの意思をきっぱり伝えてしまったけども、普通こういう時は閉めてあげるべきなのか?とか、でも、曇り時々雨くらいの薄暗い天気の日に、通路の反対側のスクリーンまでおろす意味あるか?とか、そんなに暗さがほしいならアイマスクかなんか自分でもっとけばいいやん、とかもちょっと思ってしまった。

でも、普通の人は一般的にはこういう時、あ、いいですよ〜って下ろしてあげるんだろな、とかも思った。私って非常識なんかな‥とかも。もし車掌さんがこのやりとりの時にちょうど通りかかってたら「すいませんけどお客さん閉めてあげてもらえます?」って言われたんかな、私、とか。私はやっぱり変な人なのか‥。


でも、外の風景が見えなくなるのは嫌だし悲しい。それがあの時の私の正直な感覚だった。


あと、ごちゃごちゃ考えながらふと思ったのが、これがもし日本人のひとに同じことをきかれていたら私はとっさに同じようにこたえたかな、ということ。私は外の景色を見たいのです。ときっぱり言ったかな、ということ。

そもそも、どんよりの曇りの日に通路はさんで反対側のボックス席の窓際に座ってる人の横のスクリーンをおろしてくださいと言ってくる人はあまりいないと思うけども、もしこれが日本人同士のやりとりだったら私はどうしたのだろう、ということ。

 あ、、はい、、、とか言いながらスクリーンをおろして、なんとなくの時間がたってから、そろーっと別の席にうつったのかな、とかも思う。でも、その方が嘘つきな感じで違和感たっぷりな気もする。

まあでも、日本語でも「すみません、私、外の景色をみたいのです。」ってちょっとやんわりながらもはっきりと言ってしまったのだろうなとも思う。

何が正しいのかはわからない。


和歌山と大阪の県境を超えたくらいから学生とかで車内は人が増えてきて、その英会話の先生(だろう人)もいつのまにかいなくなっていた。





 家に帰って、暗くなってたけども近所の公園のよこに笹をとりにいって、子どもと飾りをつくって、短冊におねがいごとを書いた。

みんなが幸せで豊かに生きれる平和な世の中になりますように、とか難しくごちゃごちゃ書いていたら、子どもが短冊に「家ぞくが丸くおさまりますように。」と書いていて、なんかいらん力がぬけて笑えてきた。






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