昨日は、週に一度、通勤電車で仕事に行って夕方に帰ってくるという、出勤日だったのだけれど、昨日は行きも帰りも特殊な状況に遭遇した日だった。
私は6時半過ぎに乗るので、混む時間帯の少し前で、車内には立っている人は数人でほぼ座れる感じ。通勤電車なので、背広のサラリーマンやウーマンが多い車内。
今朝も、私が乗り込むとちょうどひとつ席が空いたので座れた。
発車を待っていたら、なんか大きな話し声。仕事に向かう憂鬱さと眠気が充満してる朝の静かな車内に響き渡る声。
それは斜め前に座っている60代後半の女性の独り言?なのだった。
「私は、スマホというものはもっていませんが、この電車がなんばにいくということはもう決まっていることでございます。私が乗っている準急はなんばにいくということは、もう決まったことなのでございますが私が乗っていないのが難波に行くかどうかはこれはわたしはしりませんけれどもわたしが乗っているのはなんばにいくというのは、わたしはスマホはもってないですけどこれは決まったことでございます。」というようなことを、大きな声でひとりで話していて、私は、この人は霊感があってなんかが見える人で、亡霊かなんかに話しかけてるのかな?と一瞬思ったのだけど、どうやら違う感じだった。
まあ、確実に何かが”普通”ではない感じのひとで、
隣に座る状況になったサラリーマンは目をつぶって石になったフリしてるし、他のひとたちも黙っているわけで、私だって、斜めまえというびみょーな距離があってよかったなあ〜と内心思ったわけだけど。
そして、話の内容の脈絡は狂ってる感じなのに独特で、話し方も独特で、何かの口上のようでもあって、私はなんかしらんけど耳をすまして聞き入ったのだった。
「スマホはありませんけど」の話の次は、「総理大臣が安倍さんということは決まってることでございます」って話になって、「消費税10%ということも決まったことでございます はいありがとうさんはい、どうもどうもありがとうございます。」と言い始めて、皮肉なのかなんなのか増税賛成、反対どちらの立場なのかもまったく読めない、ものすごく独特な言語表現で真意は不明。
その次は、ハイライトのタバコを2つ取り出して、自分の足元の床に並べて、「このハイライトはお父さんに買ったものでございます。」ってはなしがはじまって、お父さんの話になって、それは言葉の言い回しを残念ながら忘れてしまったのだけども、このひとはどうやらお父さんのことが大好きでお父さんはもう亡くなってしまったけれどその思い出と生きてはるのかな?という感じではあった。そしてライターの話になって、ライターがあったはずだけれども見つからないみたいで、それは西大寺の南都銀行のライターで、でも、ライターがないということは盗まれたのだ、みたいな被害妄想のような話になって、ちょっと雲行きが怪しくなったのだけど別に怒りが爆発することもなく、そこから、南都銀行の近くに回転焼きの店があったという話になって、なぜかやぎ銀行という銀行もでてきて、南都銀行のお嬢さんの嫁ぎ先がどうのこうのになりそれは不運な結婚だったみたいで、その次は土地の権利証の話になって、それも少し被害妄想的な内容だったけど語り口は淡々としたもので、
そこらへんで電車は難波についたのだった。
あっという間に難波についた。
個人的に楽しかった。
そして仕事帰り。
難波で電車に乗ろうとしたら、また女性の大きな声がきこえてきた。
ホームはひとでいっぱいだったし、どこから聞こえてくるのかわからなかったのだけど、階段の向こう側で何かがおきているらしく、電車がきて乗り込むときにその状況がよく見えたのだけど、
それは、女性がふたり、ものすごい剣幕でけんかをしていて、間に駅員さんが入って喧嘩をとめようとしている状況なのだった。
どちらもマスクをしていたからおよそだけど40代後半のごく普通の感じの背が高めの女性と、20代ではあろうメイクバッチリの若い女性。若い方は黒のマスクをしていて、服装も黒い感じ。なんで喧嘩しているのかはよくわからなかったけど、双方今にも掴み合いになりそうな剣幕で、そのふたりの女性のなかに、駅員さんが立って、双方の言い分をきいていて、でも、駅員さんがこうこうで、こうなってこういうことなのですね?みたいな感じで、もちろん物腰低く状況を理解しようと確認すると、黒マスクの方が「私が悪いみたいな言い方をせんといてください!!!」と駅員さんにも怒り出して、白マスクの方もそれにたいして、「はあ?!なんなんお前?」みたいな感じのことを言ってもうすごかった。
駅員さんがもうひとりやってきてその駅員さんに間に入っている駅員さんが説明して、またそれに双方がそれぞれの不満をのべて、なんかそれはもうぐちゃぐちゃの修羅場だった。
お前!!!とか、はあっ〜!!!??とか公共の場ではほぼ聞かない言葉と怒号が、通勤客でごった返す駅のホームで飛び交っていた。
喧嘩の発端は私にはわからなかったけど、駅員さんが2人でも場はおさまりそうになくて、こんなんってあとは警察呼ぶしかないんかな‥とかとか思っているうちに電車は発車した。
映画とか以外で、あんな壮絶な女同士のほんものの喧嘩というものをはじめてみたのだけど、発車してホームをあとにした電車のなかで、
「女って、こっわ(怖)!!!!」って、いう一言がびっくりマークと一緒にまんがの吹き出しのセリフみたいに、私の中に浮かんでた。
たぶん、あの場にいた他のひとの少なくとも30人くらいのひとのなかにも、この言葉がびっくりマークと一緒に浮かんだはず!
女ってこわ!っていうのは、数年前に私自身が毎日怒り狂ってる時期があって、そのときに自分で思ったことでもある。
怒り狂いながら、狂ってる自分をどこかで俯瞰してる自分がいて、
「ああ、女を怒らすととんでもないことになるのだな‥」と妙に冷静に思ったのだった。
怒るっていう字は、女の又の心って書く、ということに今気づいた‥‥。
なんか、字って、深!
まあ、そんなエキサイティングな通勤電車の行き帰りがあった1日だったわけだけど、個人的に打ちのめされたのは
勤務先の学校で子どもに歳をきかれて、40と答えると、
「え、もう少し上かと思った」とびっくりされたこと‥。
どうやら私はそれがものすごくショックだったみたいで、一夜明けた今もその場面が私に重くのしかかっている‥。
♫目に映る〜すべてのことは〜メ〜ッセ〜ジ〜♪
だとすると、
これらはどういうメッセージなん??
ということを、ずっと考えている‥。
平和な朝
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